興福寺の学侶の多聞院英俊法印の日記。
刊本5冊。
原本は散逸し写本が興福寺に残っている。
当代の社会経済資料としても珍重されるが、茶湯に関する資料も豊富である。
茶器・茶湯座敷にも及んでいる。古田織部が茶湯名人と記されている。
野々村仁清の作品のうち、信楽風な作品を特にこう呼ぶことがある。
仁清が信楽に赴いて製作したのではなく、粟田口(*1)などに伝わる信楽写の技法を習得し、黒谷土に砂を混ぜたりして製作したものかと推察されている。
作品には水指・花入などがある。
*1 あわたぐち
水飴を加えた煮汁で、汁がなくなるまでとっくりと煮込む。
「飴炊き」ともいう。
鯉・焼鮒(*1)・焼鯊(*2)などのほか、栗・イチジクなども好まれる。
便法として、飴を用いずに砂糖ばかりで煮込み、仕上がりに味醂(*3)で味を調えることもある。
*1 やきぶな
*2 やきはぜ
*3 みりん
室町時代を主として、土佐派などの大和絵に対して、宗元画に倣って描かれた水墨画をいう。
通常如拙をその祖とし、周文を経て雪舟等揚で頂点に達し、桃山時代に狩野永徳・長谷川等伯・海北友松らが装飾性を加えた障屏画を描いた。