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2022年12月9日金曜日

一口香 いっこうこう


菓子で唐饅頭の一種。

逸口香などとも書く。

歴史は古く唐の禅僧や東シナ海を航海する中国人の貴重な保存食として渡ってきた。

原料は純白の小麦粉で、内部に黒砂糖を入れて焼くと中の砂糖が飴のように溶解し、ほぼ空洞になっている。

長崎や佐賀が名産。

2022年12月2日金曜日

幕釉 まくぐすり


口辺から二重、三重に厚く掛けた上釉のこと。

釉なだれが幕を張ったように見えるところから名付けられている。

おもに樂家三代道入の作品の特徴としてあげられ、「升」「桔梗」「青山」など、著名な作品にみられる技法である。

2022年11月25日金曜日

京瀬戸 きょうせと


天正から寛永年間(*1)に、宗伯・正意・万右衛門・新兵衛・源十郎・蔵右衛門・吉兵衛・道味・光存・茶臼屋・茶染屋・長存・宗意・大平・道祐などが製した茶器類。

瀬戸釉を用いて京都で焼いたのか、京都の人が瀬戸で焼いたのかは判然としない。

*1 1573-1644

2022年10月14日金曜日

古則 こそく


禅宗の用語。

古人の説法、もしくは問答をいう。

のちに、著語(*1)や頌古(*2)が付けられるようになって、それらのテキストになるものとしての本則、もしくは公案ともよばれる。

公案は、裁判の判例の意で、のちの判決の手本となるためである。

*1 じゃくご
*2 じゅこ

2022年9月30日金曜日

四愛 しあい


梅・蘭・蓮・菊の四種の植物をいう。

四君子を踏まえつつも、やや趣が異なり、梅は林和靖(*1)、蘭は黄山谷(*2)、蓮は周茂叔(*3)、菊は陶淵明(*4)と、それぞれが愛した植物に由来する。

文人画にみられる画題である。

*1 りんなせい
*2 こうさんこく
*3 しゅうもしゅく
*4 とうえんめい

2022年9月23日金曜日

日野椀 ひのわん


滋賀県蒲生郡(*1)日野で生産した椀。

蒲生氏の城下町であった天文年間(*2)に、塗師町・堅地町があり、漆器の生産が行われた。

蒲生氏の転封や宝暦六年(*3)の大火で、漆器生産が衰微したが、日野商人の活躍で日野椀の名は広く知られた。

*1 がもうぐん
*2 1532~1555
*3 1756

2022年9月9日金曜日

須坂焼 すざかやき


信濃国(現在の長野県)須坂の藩主 堀侯の御庭焼。

弘化2年(*1)初代 吉向治兵衛を招いて開窯する。

土はほとんど京都より運び、広く陶器・磁器・楽焼などを焼成。

なかでも糸巻香合、土瓶付焜炉(*2)などの妙作が伝わっている。


*1 1845
*2 こんろ

2022年9月2日金曜日

土の物 つちのもの


陶器を表す古い言葉。

『君台観左右帳記』に「土の物」とあり、天目類・葉茶壺(茶壺)・抹茶壺(茶入)がこの類に含められている。

また天文年間(*1)以後の茶会記にもこの言葉はみられるが、その多くは水指で、おそらく備前や信楽などの焼締陶と考えられる。


*1 1532~1555

2022年8月26日金曜日

根付 ねつけ


印籠・煙草入・巾着などを腰に提げるとき、提げ緒の端に付けて帯の間に挟み、ずり落ちるのを防ぐ用具。

古くは印籠と共に作られていたが、江戸時代中期以後、煙草入の流行にともない根付細工が盛んとなる。

素材は象牙・木彫・金属・漆器などがある。

2022年8月19日金曜日

手鑑 てかがみ


名筆の鑑賞や筆者の鑑定の便のために、経巻や歌書・消息などの巻子本や冊子本から、その一部を切り取って収集し帖に編集したもの。

手鑑の作成は桃山時代から江戸時代の全期間を通じて流行し、写経手鑑・色紙短冊手鑑・古文書手鑑など種別の手鑑も作られた。

2022年8月12日金曜日

遺偈 ゆいげ


禅院の用語。

死に臨んで、自らの一生を総括する、漢語の詩。

四字四句、または五字四句が基本。

辞世、絶筆ともいう。

真蹟の現存するものも多く、墨蹟として尊重される。

中国では無準師範(*1)、日本では円爾弁円(*2)のものなどがその典型。

*1 ぶじゅんしばん=(1177~1249)
*2 えんにべんねん=(1202~1280)

2022年7月29日金曜日

台子七人衆 だいすしちにんしゅう


豊臣秀吉の許可により、千利休から台子の茶式を伝えられた七人をいう。

『貞要集』によれば、豊臣秀次・蒲生氏郷・細川三斎・木村常陸介・高山右近・瀬田掃部・芝山監物をさす。

織田有楽は利休から別室で極意を伝えられたとある。

2022年7月22日金曜日

本茶非茶 ほんちゃひちゃ


鎌倉時代から室町時代初期にかけ、京都栂尾(*1)に産する茶を本茶と称し、その他の地で栽培されたものを非茶といって区別した。

しかしながら、室町初期以降、栂尾の茶園は荒廃し代わって質の良くなった宇治の茶が本茶とされるようになった。

*1 とがのお

2022年7月8日金曜日

誰ヶ袖 たがそで


意匠の一つ。

桃山時代から江戸時代にかけて流行した婦人の豪華な衣装を衣桁(*1)・衝立に掛けた図。

屏風絵などに用いられた。

また、この袖の部分を文様・形状の意匠に採り入れた器物。

茶道具に誰ヶ袖文様の茶碗・水指・薄茶器、また、誰ヶ袖形香合などもある。

*1 いこう

2022年7月1日金曜日

東山流  ひがしやまりゅう


利休流という呼称に対して、能阿弥の流儀を想定したらしい。

流儀茶道の発生時代に利休流の称が生まれ、やがて千家流と称されるのに対し、東山文化の茶湯が東山流と称されるに至った。

因みに、堺流、続いて奈良流などという称はあえて異を立てたものと言える。

2022年6月10日金曜日

方立口 ほうだてぐち


出入口の脇に方立を立て、角柄(*1)の鴨居を用いる形式で、茶室の茶道口や給仕口に使う。

古田織部は方立に竹を用いた。

建具として太鼓張りの襖を片引き、あるいは引き違いにする。

方立・鴨居を用いず壁を塗り回した火灯口とは対照的と言える。


*1 つのがら

2022年5月20日金曜日

甫竹 ほちく


利休時代の茶杓師。

堺の人。

通称重右衛門。

もと絹商人だといわれる。慶首座(*1)に茶杓削りの技を学び、利休よりその秘伝を受けて茶杓師となり、古田織部の愛顧を受け、徳川秀忠にしばしば茶杓を献上したという。

子孫4代みな甫竹を称した。


*1 けいしゅそ = 桃山時代の禅僧。茶杓削りの名手。


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2022年5月13日金曜日

毛峰茶 もうほうちゃ


毛峰は中国黄山の峰の名で、毛峰茶は岩茶であり、雲霧茶(*1)である。

種類も多いが、固く締まり、茶湯はいくらか赤みを呈するが、青臭も苦みもなく、花香茶(*2)にする。

産地により茶色は違うが、黄山毛峰と銘された雲霧茶が絶品である。


*1 うんむちゃ=高度千メートル以上の高原茶
*2 ほうしゃんちゃ

2022年4月22日金曜日

正木美術館 まさきびじゅつかん


昭和43年、大阪府泉北郡忠岡町に開館した。

実業家の正木孝之氏の収集品で小野道風筆「三体白氏詩巻」、藤原行成筆「後嵯峨院本白氏詩巻」、「大灯国師墨蹟」の3点の国宝と7点の重要文化財を主に水墨画・墨蹟・考古品陶器など、東洋古美術のコレクションである。

正木美術館の公式サイト↓↓
http://masaki-art-museum.jp/

2022年4月15日金曜日

破風窯 はふがま


瀬戸系茶入六種(*1)の内の一。

四世藤四郎の作と伝えられる。

破風の名は茶入の釉掛かりの裾際が屋根の破風の形に似るため。

破風窯は更に翁手・市場手・口広手・渋紙手などに細分されるが、いずれも古瀬戸・真中古などに比べて作風が自由になってきている。


*1 古瀬戸・春慶・真中古・金華山・破風窯・後窯