2015年1月30日金曜日

栗石 くりいし



直径10~15センチぐらいの丸みのある石を指す。

道路や建物の基礎ならし材料とするほか、庭園にも石垣の裏込め、石組みの根石や詰石、地固めなどに用いる。

「くり」は「くれいし(塊石)」からきたとも、あるいは石を表す古語の「クリ」からともいう。

2015年1月23日金曜日

口伝 くでん



筆録できない秘事、作法などを、口伝えに伝授すること。

中世以後、和歌・茶道・華道などで広く行われた。

切紙に項目だけを書き、それにより口述して伝えるのを常例としたが、その口伝を記した秘伝書も存在する。

茶道の秘事口伝としては珠光一紙目録などが伝わる。


2015年1月16日金曜日

貴人座 きにんざ



茶席において貴人を座らせるために設えた場所。

四畳半においては床前の一畳をいう。

茶席に上段を設けることがあるが、この上段も貴人座である。

利休の聚楽屋敷の上段付一畳台目席も豊臣秀吉の御成りを受けるためのもので、秀吉は上段に座ったと思われる。

2015年1月9日金曜日

厚紙 あつがみ


厚様紙(*1)ともいう。

和紙にあっては材料のいかんを問わず厚く漉いた紙を全て厚紙という。

奈良時代の紙はほとんどみな厚手であったが、平安時代に確立した流し漉き法によって生産された薄手の紙を薄紙、薄葉紙(*2)と呼んだので、これに対する呼称となる。

*1 あつようし

*2 うすようし

2015年1月2日金曜日

島台茶碗 しまだいちゃわん


井戸形に開き、内面に金銀の箔を置いた楽茶碗。

正月など縁起を祝う茶事に重ね茶碗として用いられる。

如心斎(*1) 赤茶碗一双がその初めとされる。

元来塗物盃を二つ重ねたものが島台と呼ばれているが、それに倣ったものであると思われる。


*1 じょしんさい = 表千家七代