2014年10月31日金曜日

御数寄道具之帳 おすきどうぐのちょう


織田有楽(*1)所持の道具目録 一冊。

別名『有楽斎道具帳』ともいう。

表紙に寛永十五年(1638)十月六日とあるので、有楽没後に整理された記録であることが分かる。

有楽研究の上での好資料といえる。

『茶道』全集巻の八、『茶道古美術蔵帳集成』に所収。



*1 1547-1621

2014年10月24日金曜日

加勢以多 かせいた


熊本の銘菓。

江戸初期に細川三斎が好み、細川家伝来の菓子として作られてきた。

ポルトガルのマルメロ(*1)という木の実で作ったもの。

正徳・享保年間頃、細川候から禁裏や将軍家に献上されたもので、後になって梨を加工し、のした押板菓子。



*1 花梨(かりん)

2014年10月17日金曜日

流れ手水 ながれちょうず



庭の中の池や小川の流れの中に、水を汲むための前石や、柄杓や手桶を置く石を配置し、流水をそのまま用いるようにした蹲踞の形式。

桂離宮松琴亭脇の池中の配石が有名。

また流れの中に丸い枠などを沈めて手洗いとしたものにもいう。

2014年10月10日金曜日

沢渡り さわたり



庭内の流れや池を渡るために打たれた飛石のことで、沢飛び(沢飛石)ともいう。

平たい自然石を用いるのが通例であるが、特殊な材料として石臼や石の橋脚などがある。

水面に対する景趣とともに、伝い渡る安定感が要求される。

2014年10月3日金曜日

京織部 きょうおりべ


織部と称されている焼物は本来美濃の窯の製であるが、それを京都で模倣したもの。

おそらく慶長年間(*1)頃から東山山麓に設けられた窯で焼かれたと推定される。

その後も京焼の作陶家によって今に至るまで焼造されてきている。



*1 1596-1615