2010年10月29日金曜日

鴻池道億 こうのいけどうおく

明暦元年(1655)〜元文元年(1736)。

大阪の豪商。

茶の湯を嗜み、茶道具の目利き鑑定をもって世に知られた。

所持した名物は、利休七種茶碗の大黒・東陽坊、本能寺文琳の茶入などおびただしく、その詳細は「鴻池家道具帳」に記されている。

2010年10月22日金曜日

筒井筒 つついづつ

名物。

筒井順慶から豊臣秀吉に献ぜられその秘蔵となったが、
近習が 取り落として五つに割れた時、
同席していた細川幽斎が「伊勢物語」の古歌をもじって

「筒井筒五つにかけし井戸茶碗 とが(*1)をば我に 負いにけらしな」(*2)

と狂歌してとりなしたという逸話がある。


*1とが = 咎 あやまち、過失
*2 本歌 = 「筒井筒井筒にかけし まろがたけ 過ぎにけらしな妹見ざるまに」

2010年10月15日金曜日

有馬筆香合 ありまふでこうごう

形物香合番付西方二段目。

「有馬筆」の名は、この香合の蓋甲の摘みの人形が、有馬温泉土産の筆の筒先から出たり入ったりする小さな人形とよく似ていることから名付けられた。

稀に人形のないものもある。


2010年10月8日金曜日

土風炉 どぶろ

土でつくった風炉。

奈良風炉が有名。

奈良の春日社興福寺の土器の工人座が火鉢などを作っていたが、茶道の発展とともに土風炉を製作したのが始まり。

永楽家の祖の土風炉師宗四郎が、やがて京都に移り秀吉から天下一の称を授かった。

2010年10月1日金曜日

東陽坊 とうようぼう

京都建仁寺本坊にある茶室。

杮葺き(*1)の屋根で、二畳台目の下座床。

利休の門弟東陽坊長盛が北野大茶会のときに建てた茶室であったと伝えられる。

その後、たびたび移築が行われ、大正13年頃に現在の場所に移された。

*1 こけらぶき