2017年2月24日金曜日

琴柱形灯籠 ことじがたとうろう


雪見形灯籠の変形。

二本の長い足に支えられた背の高い雪見灯籠で、その足の形が琴の柱()に似ているので、この名称がある。

代表的なものは、金沢の兼六園内にあるが、足の上の笠・火袋・中台は六角形である。

江戸中期以降の作品と考えられる。




2017年2月17日金曜日

伊勢物語 いせものがたり


平安期に成立した仮名文の歌物語。

在原業平(*1)かと思われる男性の一生にまつわる約125の説話から成り、多くは男女の情事を述べる。

『在五中将日記』ともよばれる。

古来、大和絵の好画題となり、井筒・東下り(*2)・八橋・芥川(*3)などが特に名高い。


*1 ありわらのなりひら
*2 あずまくだり

*3 あくたがわ

2017年2月10日金曜日

梅鉢文 うめばちもん


よく知られた文様の一つで、五弁の梅花を上から見た形を文様化したもの。

小円を五つの円が囲む。

また中央の円に萼(*1)を付けると加賀前田家の紋章である加賀梅鉢となる。

変形された作例も多く、裂地・陶磁器・漆器・家紋などの意匠に用いられている。




*1 がく

2017年2月3日金曜日

豆撒き石 まめまきいし


裏千家の茶室「又隠」の露地に見られる飛石の打ち方。

躪口(*1)の前に小ぶりの飛石を、豆を撒いたように、一見無造作に配置したもので、露地の景色としておもしろく、どこを伝って歩いても良いという含みがある。



*1 にじりぐち