2015年2月27日金曜日

緋襷(火襷) ひだすき


無釉の陶器に襷状に入った赤い条線をいう。

古くは奈良時代の須恵器にも見られる。

器を入子にして焼成した際、くっつきを防ぐために間に挟んだ藁が器胎の鉄分と反応して偶然に赤く発色した現象であったが、後には意識的な装飾法となった。

備前焼に代表される。



2015年2月20日金曜日

長炉 ながろ


炉の一種。

長方形をしたものをいう。

もともと暖房用に使われていたもので、一条恵観(*1)山荘や桂離宮で見ることができる。

茶の方面ではほとんどが水屋用で、控え釜を掛けたり、懐石料理の炊事に用いる。

表千家点雪堂の長炉がその典型である。


*1 いちじょうえかん

2015年2月13日金曜日

座蒲団 ざぶとん


座る時に敷く蒲団。

茶湯としての用法には限定があり、寒中、寄付に毛氈(*1)の替わりに敷き、あるいは待合に客数だけ揃えておくこともある。

また、本席で濃茶が終わり薄茶に移る時に、客をくつろがせる意味で煙草盆とともに勧める。

小型で薄手のものを好む。

*1 もうせん


2015年2月6日金曜日

火ばかり ひばかり


文禄・慶長の役の後、来朝した陶工たちが持ってきた朝鮮半島の陶土と釉薬を用いて日本で焼成したと考えられている茶碗などをいう。

つまり焼成に用いた火ばかりが日本のものという意味である。

唐津焼や薩摩古帖佐焼(*1)にそう呼ばれる茶碗がある。

*1 こちょうさ