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茶道百字辞典
2017年12月29日金曜日
短冊 たんざく
和歌や俳句を書くのに用いる細長い料紙のこと。
鎌倉末期頃に用いられたといわれるが、その由来は小さな紙切れをいう短尺にあるともいう。
白紙のもの、金銀箔を置いたもの、下絵や雲形のあるもの、絹張りのものなどの種類がある。
2017年12月22日金曜日
鏡 かがみ
茶碗の見込中央にできた丸いくぼみ。
高麗茶碗などに比較的多く見られ、特に熊川
(*1)
茶碗には鏡があるものが多いところから、約束のごとくにいわれている。
しかし本来、成形時に無意識にできたもので、和物茶碗には景色として意識的に付けたものもある。
*1
こもがい
2017年12月15日金曜日
叩き跡 たたきあと
叩き作りによって陶器を成形する時に器表に残る叩き板の跡。
方形や筋状、青海波様など、叩き板に刻まれた文様が器に残るものもあり、中には意図的に叩き跡を付ける場合もある。
叩き跡が見られるものには南蛮・伊賀・唐津などがある。
2017年12月8日金曜日
織部瓦 おりべがわら
織部焼の敷瓦。
釉掛かりを手前にして用いる。
佐久間将監が大徳寺寸松庵の庭の花壇に織部焼で作った瓦を、如心斎宗左が鉄の丸風炉に敷き、与次郎作の大阿弥陀堂釜に取り合わせ、名残の時期に用いたのがその始まりである。
寸松庵伝来のものが有名。
2017年12月1日金曜日
加賀蒔絵 かがまきえ
江戸時代に加賀藩領内で作られた格調高い蒔絵。
加賀藩主前田利常は自国産業発展のため、寛永年間に京都より五十嵐道甫とその子喜三郎を、江戸より椎原市太夫を招聘した。
彼らはこの地に移住し、子孫代々前田家に仕え、加賀蒔絵の発展に貢献した。
2017年11月24日金曜日
客振り きゃくぶり
客の挨拶から動作などを総合して、客振りが良いなどという。
一会の成否は主と客の心通うところから決まるといえる。
技量・働きなど、主の心尽くしを受け止めて、それによく応えられるのを客振りがよいという。
主はその日の客次第ともいわれる。
2017年11月17日金曜日
主茶碗 おもちゃわん
本来は一会の茶事では、濃茶を一同が一碗を分け合って飲むのが本旨である。
しかし、大勢になると一碗では無理という時もあり、重茶碗または替茶碗とする場合もある。
そのような時に最初正客の飲む茶碗をこのようにいう。
薄茶の時も同様である。
2017年11月10日金曜日
灯心 とうしん
灯具に用いる芯。
灯油に浸して火をともす。
通常、イグサ科の多年草である細藺
(*1)
を蒸して皮を裂き、茎
(*2)
の白色紐状を取り出して芯に用いる。
灯具に使用する本数は、必ず奇数を原則とし、席の大小、月夜か暗夜かなどによって増減する。
*1
ほそい
*2
なかご
2017年11月3日金曜日
御伽衆 おとぎしゅう
戦国末期から江戸初期にかけての役職。
貴人や大名に近侍して、座興の話題を提供するもので、多くはいくさ体験の豊富な武士や浪人、博学多識で話術に巧みな者、茶湯者などが任ぜられた。
秀吉の晩年には三十数名が知られ、古田織部も当初はその一人であった。
2017年10月27日金曜日
練上志野 ねりあげしの
志野焼の一種。
練込志野ともいう。
鉄分を多量に含み焼成後に黒もしくは赤く発色する土と、そうでない土とを練り合わせ、いわゆる墨流状斑状に胎土を発色させる。
16
世紀末期の茶碗と水指に実例がある。
練り上げの古い技法は中国陶磁に源流がある。
2017年10月20日金曜日
萩の餅 はぎのもち
江戸中期に栄えた餅加工品の一種で糯米
(*1)
と粳米
(*2)
とを合わせて蒸し、飯にしてすり鉢の中でする。
それを団子にして蒸し、小豆餡
(*3)
・大豆粉をまぶす。
これを「萩の餅」とか「おはぎ」などといい、萩の花の咲き乱れたさまに見立ててその銘が付けられた。
*1
もちごめ
*2
うるちまい
*3
あずきあん
2017年10月13日金曜日
陸奥紙 みちのくがみ
平安時代、陸奥国平泉を中心とした地域で漉かれた檀紙
(*1)
で、中央にても消息の料紙として用いられたことが文献に見られる。
精良上質の紙であったらしく『源氏物語』には「うるはしき陸奥紙」と記されている。
原料は楮
(*2)
の繊維である。
*1
だんし
*2
こうぞ
2017年10月6日金曜日
茶道秘伝 ちゃどうひでん
古田織部著の茶法書。
一巻。
織部が「
伏飛州
」の執心懇望により書き与えたもので、利休相伝の茶法に自身が若干加筆したといわれる全百十二箇条の条文から成っている。
一般に『織部百ヶ条』として流布している茶法書と大略同内容である。
2017年9月29日金曜日
置上 おきあげ
胡粉
(*1)
を盛り上げて文様を表す技法。
菊華を置き上げにした棗、曲水指、香合、莨盆などがある。
天正
13
年
(*2)
秀吉が正親町天皇に献茶の折、利休が好んだといわれる木地菊置上大棗は特に有名であり、置上を応用した茶道具はこれに始まるものと思われる。
*1
ごふん
*2 1585
年
2017年9月22日金曜日
稲田石 いなだいし
石材の一種。
茨城県稲田山から筑波山間にわたる山地から産する花崗岩で総称して茨城石という。
そのうち稲田付近から産するものが豊富で良質で稲田御影
(*1)
とも呼ばれる。
大体粗粒質で、白色の上に黒雲母が黒斑となるのが一般的特徴である。
*1
いなだみかげ
2017年9月15日金曜日
布泉形手水鉢 ふせんがたちょうずばち
大徳寺孤篷庵の山雲床前にある手水鉢。
小堀遠州の創案になる。
円形鉢形で中央に方形の水穴が開けられ、その左右に「布」と「泉」の二字が浮き彫りされている。
布泉は中国後周の銭の名で、銭の流通することのたとえ。
2017年9月8日金曜日
焼抜き やきぬき
鋳金技法の一種。
釜の仕上工程で、鋳型より取り出した釜を炭火中に入れて十分に焼き、表面を一皮むいて仕上げる技法。
地肌を柔らかい感触にするためのもので、これを行なった釜を焼釜といい、行なう以前の釜を生釜という。
この技法は辻与次郎の創意による。
2017年9月1日金曜日
定家緞子 ていかどんす
名物裂の一つ。
地は茶・萌黄など、文様は萌黄または茶で流水に菊と桔梗のあるものといわれる。
しかし『古今名物類聚』あるいは名物裂帳に見るのは流水ではなく二重蔓唐草に菊花を配したもの。
京都島原の遊女定家太夫の打ち掛けの裂と伝えられる。
2017年8月25日金曜日
練描 ねりがき
漆工芸の加飾法の一。
漆に金銀粉を練り混ぜて、模様や文字を表す法。
漆面に描く場合は細粉を用い、研ぎ出す場合はやや粗い粉を用いる。
透き漆
(*1)
や彩漆
(*2)
などを適度に使い分けたり、筆勢によって濃淡を出す。
膠
(*3)
や油を用いる場合もある。
*1
すきうるし
*2
いろうるし
*3
にかわ
2017年8月18日金曜日
戸山焼 とやまやき
尾張徳川家江戸屋敷にあった陶窯。
外山焼・楽々園焼ともいう。
尾張家十二代斉荘は国元より加藤仁兵衛・加藤太兵衛・加藤唐三郎の三人を呼び、廃絶していた窯を再興、京都より樂了入を招き茶器を焼かせたりしたこともある。
市ヶ谷付近に窯があったといわれる。
2017年8月11日金曜日
釜敷 かましき
炉・風炉からおろした釜の下に敷く物。
古くは釜据・釜置ともいった。
素材は、組物・紙・竹・板。
組物には唐物と和物があり、材料は、籐(*1)・蓮茎(*2)・菅(*3)・紙縒(*4)・竹・竹皮・色糸など各種がある。
竹釜敷は、節を平たく切って穴は開けず、水屋用として用いる。
2017年8月4日金曜日
奥田木白 おくだもくはく
奈良赤膚焼の陶工。
本名は奥田武兵衛、屋号の柏屋にちなんで木白と号した。
名工として知られ、仁清・楽茶碗などの写を得意とし、特に能人形は有名である。
作品には「赤膚山」「木白」の印銘を押している。
2
代目も名工と評され、初代の印と同じ印を用いている。
2017年7月28日金曜日
竹節高台 たけのふしこうだい
高台の一種。
略して竹の節ともいう。
茶碗の高台が竹の節状になったのをいう。
高台の内を削り、外を削るうちに鉋(*1)が当たって竹の節形になる。
井戸茶碗の約束の一つになっているが、その他の朝鮮茶碗や唐津茶碗などの特色にもなっている。
*1 かんな
2017年7月21日金曜日
丸太舟花入 まるたぶねはないれ
宗旦好。
利休は竹の花入を種々工夫して切ったが舟形はない。
元伯宗旦が京都の西、嵯峨へ行った時、嵐山の麓を流れる大堰川
(*1)
に浮かぶ筏を見て、初めて切ったのがこの丸太舟と伝えられている。
竹舟には蔓も鎖ではなく、感じの柔らかな藤蔓になっている。
*1
おおいがわ
2017年7月14日金曜日
間合紙 まにあいがみ
間似合紙とも書く。
広く長い形に漉いて、半間
(*1)
の間
(*2)
に合う紙という意味で、屏風や襖または畳の大きさに合うように漉いた鳥の子紙の一種。
古来、摂津国有馬郡塩瀬村や越前が名産地である。
大きさは品種によって多少異なる。
*1
はんげん
*2
ま
2017年7月7日金曜日
泥絵 でいえ
漆器の面に金銀泥をもって絵を描いたもの。
漆が乾く寸前に水で溶いた金銀泥で文様を描き、その水分が蒸発すると泥はしっかり固着する。
正倉院宝物中にある金銀泥絵は泥を膠
(*1)
で溶いた普通の泥絵だが、この手法は尾形光琳の作品にだけ見られるものである。
*1
にかわ
2017年6月30日金曜日
瑞穂流 みずほりゅう
茶道流派の一つ。
紀州日高の城主
玉置権頭に始まるという。
この
16
世
(
中興
2
世
)
玉置一成の著に『茶道要鑑』がある。
安政
2
年
(*1)
和歌山の大火にあい、すべてを失ったといわれる。
一子相伝、ほかに教授もしないので埋もれたに近い。
2017年6月23日金曜日
義山 ぎやまん
義山は当て字。
ガラス製の器をいう。
ポルトガル語のダイヤモンドから点じた語で、彫刻を施したガラス製品をギヤマン彫りとよんだところから、
19
世紀以降ガラス製品一般をさすようになった。
水指や、向付・菓子鉢などの懐石用具に用いられる。
2017年6月16日金曜日
手柄 てがら
人から賞賛されるような技量や功績。
主として茶湯における趣向や道具組などで優れた働きをすることをさす。
室町後期から江戸初期まで、茶湯者や数寄者が先例にこだわらず茶湯をしていた時期には、茶湯における功績や実績がその人物の評価となった。
2017年6月9日金曜日
直書 じきがき
器物の箱蓋の表裏や側面、また、器物自体の表面や底裏、茶碗の高台際などに、墨あるいは漆で直接施した書付をいう。
これにより作者・制作地・銘・伝来の由緒などが判定できる。
器物の所有者・茶人・家元・宗匠などのものが最も尊ばれる。
---
2017年6月2日金曜日
塩辛 しおから
魚類・貝類・烏賊・蟹などの肉・卵・腸などを部分別に塩漬けにした発酵食品。
古語では「なしもの」と表現された。
塩味を控え、酒や麹を併用するなどすると、一味違った食品になる。
今日の茶料理ではこちらを取り合わせられることが多い。
2017年5月26日金曜日
蛍手 ほたるで
白磁装飾法の一種。
白磁胎に細かい透し彫りを施して文様を表し内外総体に透明釉を掛けると、透しの部分がガラス質の透明釉で埋まり、蛍光を連想させる所からこの名が付いた。
古くは
12
世紀のペルシャ
陶器
、中国では明代の磁器に
蛍手
の技法がみられる。
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