2022年2月25日金曜日

薬器 やくき


薄茶器の一種。

古くは薬品の容器であったものを、茶入に見立てたところからのこの称がある。

扁平で裾がすぼみ、蓋は一文字か少し盛り上がる。

碗形・飯櫃形もある。

後世、薄茶器のいずれの形にもあてはまらないものを、薬器と総称してもいる。

2022年2月18日金曜日

若狭焼き わかさやき


白焼きにした魚の両面に酒を掛けて、こんがりと焼き上げた焼物。

うろこも食べられるように焼く。

もともと若狭湾から来る一塩の魚をそうして食したのだが、のち一塩の有無は問題ではなくなった。

甘鯛・鰈(*1)・鱸(*2)・鰤(*3)などが、良い材料である。

*1 かれい
*2 すずき
*3 ぶり

2022年2月11日金曜日

拭き落とし ふきおとし


根来塗で、上塗りの朱漆をすりはがして、下地の黒漆を現したもの。

古根来では、朱塗が自然に磨滅して、露出した黒との間に独特の色調を作り出すのであるが、それが珍重された結果、江戸以降には、上塗を意識的に摺り剥がすようになった。

2022年2月4日金曜日

墨色 ぼくしょく


墨は東洋では古来、書や絵画を描く主材料として用いられ、筆・紙・硯とともに文房の四宝と重要視された。

墨は無彩色ながら五彩ありといわれ、濃淡のグレードを墨色の変化として、極めて細やかな陰影表現が可能であり、書や描画に品格を与えることができる。

2022年1月28日金曜日

雪間草 ゆきまぐさ


江戸中期成立の茶史書。

坂本周斎著。

茶種の将来に始まる茶湯の略史、茶人伝、茶道具の由来など、茶湯の歴史に関する事項を集成した書物。

なお『雪間草茶道惑解』は本書の同本と考えられる。

転写本が京都大学図書館・今日庵文庫に架蔵される。

2022年1月21日金曜日

密陀絵 みつだえ


顔料を桐油で溶き、密陀僧(*1)と呼ばれる一酸化鉛を加えた油絵具で、漆面に絵・文様を描いたもの。

正倉院御物にはこの種の遺品が多く、平安時代以後も漆芸の一部にこの技法が利用されている。

色漆絵と異なり白色の発色が冴え、色数も多い。

*1 みつだそう




【お詫びと訂正】 2017年6月30日発行分の〈瑞穂流〉の中で、『 安政2年(*1)和歌山の大火にあい、すべてを失ったといわれる。一子相伝、ほかに教授もしないので埋もれたに近い』とありましたが、現在兵庫県明石市において、野村瑞穂氏が継がれておられるとのことです。 関係者の皆様方には大変ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。お詫び申し上げ、訂正をさせていただきます。

2022年1月14日金曜日

伊東陶山 いとうとうざん


弘化3年-大正9年。

陶工。

京都に生まれ、名は幸右衛門。亀屋旭堂に陶法を学び、慶応3年祇園白川畔に開窯、朝日焼の復興や粟田焼の改良に努力した。

明治28年に陶山と改名、久邇宮家より陶翁の印を拝領、のち帝室技芸院に列した。