2021年7月30日金曜日

回り縁 まわりぶち


天井と壁とが接するところに取り付ける見切り縁。

したがって本来は二つの材を納めるためのものであるが、室内への意匠的要素も強く、書院座敷などでは二段に回して重ね縁とすることもある。

また茶席では丸太や竹を用いることが多い。

2021年7月23日金曜日

掛錫 かしゃく

禅宗用語。

修行僧が行脚をやめ、僧堂(道場)に入門、長くとどまって修行生活をすること。

臨済宗では掛塔(*1)という。

錫は錫杖(*2)で一種の杖。

昔、禅僧が行脚する時には必ずこれを携行し、寺院に滞留する際には壁に掛けておいた。

ここから生じた語。


*1かた、かとう
*2 しゃくじょう

2021年7月16日金曜日

金泥 きんでい


金の粉末を膠(*1)と水で溶き混ぜ、顔料としたもの。

書画を描く際に、線として用いる場合と雲や霞の表現、または画面全体に広く塗る用法とがあり、装飾的効果を表す。

銀粉を用いた場合は銀泥とよぶ。

写経の文字、また漆工芸に作例が多い。


*1 にかわ【動物性タンパク質などを使って作った接着剤】

2021年7月9日金曜日

升底切 ますぞこぎれ

古筆切。

伝藤原家隆筆。

金葉集の断簡、もとは冊子本。

料紙がほぼ方形で升の底のような形から名付けられた。

漢字の字形は整斉、仮名は線が太く、抑揚・緩急の変化に富む。

書風は家隆の熊野懐紙に似通うが、同筆とは認められない。



2021年7月2日金曜日

職人 しょくにん

 
中世では「しきにん」と呼び、職(収益権)を帯する者を称した。


守護職・百姓職・大工職・座頭職などがこれの例。


中世末期からは狭義に工人らを称するに至った。


中世の「職人尽絵」や「職人歌合絵」には、商工芸能の徒輩があげられている。