真・行・草の中で最も正規の格式をはずしたたたずまいの座敷。
具体的には、長押(*1)を付けず丸太柱に土壁であることが、草の座敷に共通する特徴である。
草庵風な茶室はこれに属する小間で、「草の小座敷」ともいわれる。
それは「佗の小座敷」の性格にも通じる。
*1 なげし
細長い長方形の角柱状切石をいう。
建物の基壇などの縁取りに用いられるが、造園材料としては雨落や花壇などの縁石などに用いる。
また、石橋としたり、敷石や飛石の中に配したり、用途は広い。
幅が広いものは、その形から短冊石という。
屋根葺きの一種で、檜皮を葺き材にしたもの。
檜(*1)の樹皮を立ち木のまま剥ぎ取ったものを、下から順次に葺き竹釘を打って留める。
檜皮は緩やかな曲面を作ることができ、見た目に優雅上品で、瓦葺きよりも軽快である。
*1 ひのき
茶湯釜。
繰口、肩は丸みを帯び下がり、胴はほぼまっすぐになる。
羽落ち丸底で布・砂・たたき肌などで鐶付は鬼面。
製作についての逸話が幾つかあるが定説はない。
安土桃山時代後期頃からの好釜として製作されたと考えられる。