2009年5月29日金曜日

文琳 ぶんりん

茶入の一種。

文琳は林檎(*1)の異名でその形に似た茶入をいう。

古来、唐物茶入の中で茄子と文琳はその最上位にあるといわれ、特に文琳は黄釉の景色がすぐれ、名物も多い。

伝存する代表的なものに、珠光・本能寺・羽室・筑紫などがある。

*1 りんご

2009年5月22日金曜日

瀬戸十作 せとじゅっさく

天正13年(1585)に古田織部が瀬戸に来て名工十人を選んだという伝説に基づく。

すなわち、元蔵、丈八、友十、六兵衛、佐助、半七、金九郎、治兵衛、八郎次、吉右衛門の十名の工人であるが、異説も多い。

2009年5月15日金曜日

瀬戸六作 せとろくさく

織田信長が永禄6年(1563)に名工六人を選び、その後、窯印も与えたと伝えられる。

加藤宗右衛門(春永)・加藤長十・俊白(一説に宗伯)・新兵衛・加藤市左衛門(春厚)・加藤茂右衛門(徳庵)の六名であるが異説もある。

2009年5月8日金曜日

歌仙絵 かせんえ

藤原公任(*1)によって奈良時代から平安時代の和歌の名手三十六人が選ばれ、歌仙と呼ばれて崇拝されたが、その画像をいう。

これに代表作の歌一首が書き添えられ、上畳(*2)の有無など種々の形式があり、江戸時代まで数多く製作された。

*1 ふじわらきんとう
*2 あげだたみ

2009年5月1日金曜日

古筆家 こひつけ

桃山時代以降、古筆の真偽を鑑定し、筆者を考定する専門の家系。

初代は平沢弥四郎で、のちに古筆了佐(*1)と名乗った。

古筆家は本家、別家ともに歴代「琴山」(*2)の方印と各代の号印を用い、その鑑定は斯界の権威として尊重された。

*1 こひつりょうさ
*2 きんざん