2022年3月11日金曜日

舟着石 ふなつきいし


庭石の一。

園池の汀(*1)に据えられた平たい大形の石。

本来は舟遊び際の乗り降りのため、舟を着けるという実用から設けられた。

護岸の景として、舟の浮かばない小池にも、その含みで据えられることがある。

枯山水の庭でも用いられることもある。

*1 みぎわ

2022年3月4日金曜日

根府川石  ねぶかわいし

庭石の一種。
板状石理のある硬質の両輝石安山岩で、風化したものは柔らかみのある飴色で緻密の岩質。

かなり厚い板状にへげるのが特徴である。

飛石や敷石などに用いられる。

江戸時代より愛用された。

神奈川県小田原市根深川より産出。

2022年2月25日金曜日

薬器 やくき


薄茶器の一種。

古くは薬品の容器であったものを、茶入に見立てたところからのこの称がある。

扁平で裾がすぼみ、蓋は一文字か少し盛り上がる。

碗形・飯櫃形もある。

後世、薄茶器のいずれの形にもあてはまらないものを、薬器と総称してもいる。

2022年2月18日金曜日

若狭焼き わかさやき


白焼きにした魚の両面に酒を掛けて、こんがりと焼き上げた焼物。

うろこも食べられるように焼く。

もともと若狭湾から来る一塩の魚をそうして食したのだが、のち一塩の有無は問題ではなくなった。

甘鯛・鰈(*1)・鱸(*2)・鰤(*3)などが、良い材料である。

*1 かれい
*2 すずき
*3 ぶり

2022年2月11日金曜日

拭き落とし ふきおとし


根来塗で、上塗りの朱漆をすりはがして、下地の黒漆を現したもの。

古根来では、朱塗が自然に磨滅して、露出した黒との間に独特の色調を作り出すのであるが、それが珍重された結果、江戸以降には、上塗を意識的に摺り剥がすようになった。

2022年2月4日金曜日

墨色 ぼくしょく


墨は東洋では古来、書や絵画を描く主材料として用いられ、筆・紙・硯とともに文房の四宝と重要視された。

墨は無彩色ながら五彩ありといわれ、濃淡のグレードを墨色の変化として、極めて細やかな陰影表現が可能であり、書や描画に品格を与えることができる。

2022年1月28日金曜日

雪間草 ゆきまぐさ


江戸中期成立の茶史書。

坂本周斎著。

茶種の将来に始まる茶湯の略史、茶人伝、茶道具の由来など、茶湯の歴史に関する事項を集成した書物。

なお『雪間草茶道惑解』は本書の同本と考えられる。

転写本が京都大学図書館・今日庵文庫に架蔵される。