2022年1月28日金曜日

雪間草 ゆきまぐさ


江戸中期成立の茶史書。

坂本周斎著。

茶種の将来に始まる茶湯の略史、茶人伝、茶道具の由来など、茶湯の歴史に関する事項を集成した書物。

なお『雪間草茶道惑解』は本書の同本と考えられる。

転写本が京都大学図書館・今日庵文庫に架蔵される。

2022年1月21日金曜日

密陀絵 みつだえ


顔料を桐油で溶き、密陀僧(*1)と呼ばれる一酸化鉛を加えた油絵具で、漆面に絵・文様を描いたもの。

正倉院御物にはこの種の遺品が多く、平安時代以後も漆芸の一部にこの技法が利用されている。

色漆絵と異なり白色の発色が冴え、色数も多い。

*1 みつだそう




【お詫びと訂正】 2017年6月30日発行分の〈瑞穂流〉の中で、『 安政2年(*1)和歌山の大火にあい、すべてを失ったといわれる。一子相伝、ほかに教授もしないので埋もれたに近い』とありましたが、現在兵庫県明石市において、野村瑞穂氏が継がれておられるとのことです。 関係者の皆様方には大変ご不快な思いをさせてしまい、申し訳ありませんでした。お詫び申し上げ、訂正をさせていただきます。

2022年1月14日金曜日

伊東陶山 いとうとうざん


弘化3年-大正9年。

陶工。

京都に生まれ、名は幸右衛門。亀屋旭堂に陶法を学び、慶応3年祇園白川畔に開窯、朝日焼の復興や粟田焼の改良に努力した。

明治28年に陶山と改名、久邇宮家より陶翁の印を拝領、のち帝室技芸院に列した。

2022年1月7日金曜日

神号掛物 しんごうかけもの


神名を書き、祭祀の本尊として仰いだもの。

大神・明神ないし権現・菩薩などの号が神名に付せられている。

一神名を掲げるものだが、三社神号(*1)では伊勢皇大神を中尊、八幡大菩薩と春日大明神を脇侍として示している。

特に宸筆(*2)の神号掛物が珍重される。

*1 しんぴつ=天皇の自筆