2018年8月31日金曜日

吸茶 すいちゃ


濃茶の飲み回しのこと。

古来各服点(*1)であった濃茶の飲み方を吸茶にしたのは利休だといわれる。

茶会記『松屋会記』の天正14年に初見される。

内容は「御茶極無、スイ茶ハ宇治、久政、宗立、源五殿也」というもので、この頃吸茶が考え出された。


*1 かくふくだて = いわゆる一人ずつに点てられた茶。

2018年8月24日金曜日

落天井 おちてんじょう



主たる天井より一段低く張られた天井。

茶室では点前座を落天井に造ることがある。

客に対する亭主のへりくだった気持ちを表す構成である。

また客側にゆとりのある高い空間を提供したいという気持ちの表現でもあり、変化に富む空間構成にもなる。

2018年8月17日金曜日

国焼 くにやき


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和物茶入の分類に用いられる用語。

尾張瀬戸で焼かれた物を本窯とし、それ以外で焼成された茶入を国焼という。

但し、京都だけは例外とされる。

またこれより茶碗や水指、花入など茶陶や日用雑器の陶器まで範囲を広げて用い、各地の陶器を総称することもある。

2018年8月10日金曜日

旅枕 たびまくら



花入の形状の一種。

円筒形で、口造りは姥口(*1)

その形から旅寝の枕を連想して、茶人が名付けたものであろう。

多くは背面に穴を開けて掛花入に用い、大振りなものは水指に用いもする。

備前・伊賀・信楽などに多く見られる。

*1 うばぐち