2012年11月30日金曜日

漆拭き うるしぶき



拭漆(*1)ともいう。

器の表面を保護する目的で、生漆を綿に浸ませて薄く拭くことをいう。

江戸時代前期までの竹茶杓には、象牙に代わる艶を出すために裏面に漆拭きしたものが多い。

木地の指物・細工物では堅牢で保存のためによいとされる。

*1 ふきうるし


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2012年11月23日金曜日

三教図 さんきょうず



儒教・道教・仏教の三教の祖である孔子・老子・釈迦の三人を一図に描いたもの。

いずれの教えも究極においては一つの真理に帰結するという三教一致の思想による。

室町時代に隠逸高雅な文人生活を理想とする風潮とともに盛行した画題である。


2012年11月16日金曜日

盆石 ぼんせき



盆器の上に趣きのある石を立て、小石や砂利などを配して山水の風景を創造するもので、書院の飾りなどにも用いられる。

盆石は主として雅致ある自然石を用い石自体の珍奇を賞翫する。

室町時代に茶の流行に伴い、盆栽とともにこれを鑑賞する風習が行われた。


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2012年11月9日金曜日

中川の井 なかがわのい



名水の一つ。

京都中京寺町二条下ル妙満寺境内にあった。

能阿弥が発見した洛中の七名水の一つとして名高い。

古くは中川という川筋にあったところからこの名が付けられた。

昭和43年,同寺が岩倉幡枝に移転したのに伴って中川の井の石碑もこの地に移された。


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2012年11月2日金曜日

開炉 かいろ



一般に炉開き(*1)ともいう。

民間では主として陰暦十月亥の日に炉を開いて小豆餅を祝う。

茶道では別に定まった日はないが、古来より吐く息の白む頃などといい、最近では11月に入ってから炉を開き、茶人の正月として喜ぶ。

*1 ろびらき


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