2007年8月31日金曜日

醒ヶ井 さめがい

名水の一つで、京都市醒ヶ井六条にあった。

佐女牛井(*1)とも呼ばれている。

わが国最古の茶湯の水と伝えられ、珠光・紹鴎らの愛用の水という。

その後、井筒も埋み隠れたのを、元和二年(1616)織田有楽(*2)が再興し、井筒に刻銘を残した。

*1 さめぐい
*2 おだうらく

2007年8月24日金曜日

唐物 からもの

中国より伝来の茶器類をはじめとする物品の総称。

古代からの呼称だが、特に室町時代に舶来の宋・元代の織物や調度品、茶道具類にこの称が行われた。

明朝(*1)に発達した金襴(*2)・緞子(*3)などの織物が唐物の称を流布した。

*1 みんちょう
*2 きんらん
*3 どんす

2007年8月17日金曜日

柳営御物 りゅうえいぎょぶつ

柳営とは幕府のことで、徳川将軍家秘蔵の名物茶器。

徳川家康の収蔵品が基礎となり、徳川家光の代に膨張した。

後代になっても増減があるが、徳川家綱までの名物が称される。

初花肩衝茶入(*1)、藤四郎(*2)の茶壺などがある。

*1 はつはなかたつきちゃいれ
*2 とうしろう

2007年8月10日金曜日

野点 のだて

野外で自然の風物に接しつつ茶を点てること、及びその茶会。

古くは野掛(*1)と称した。

また、「南方録(*2)」には、ふすべ茶とも書かれている。

場所の選択と清浄感に心を配り、季節や場所に趣向をこらすところに楽しみ、面白みがある。

*1 のがけ
*2 なんぼうろく

2007年8月9日木曜日

堆朱 ついしゅ

漆芸技法の一種。

朱漆を厚く塗り重ねて、最後に模様を彫り出したもの。

中国唐時代に始まったと思われ、宋時代に盛んになる。

わが国には鎌倉時代に伝えられた。

黄漆を塗り重ねたものを堆黄(*1)、黒漆のものを堆黒(*2)という。

*1 ついおう
*2 ついこく