2019年7月26日金曜日

筆返し ふでかえし



違い棚や文机などの縁に物が落ちないようにつけてある木。

これにはいろいろな意匠が見られ、断面形によって、立ち波・返り波・唐波・若葉・都鳥などがある。

近世初期のものは、透し彫り金具をかぶせているが、後期になると金具なしが多い。


2019年7月19日金曜日

薬袋紙 やくたいし



室町時代以降、薬袋に用いられた特殊の紙。

(*1)の樹皮の繊維と雁皮(*2)の繊維を等量に混ぜて作り、黄色の染色剤である黄蘗(*3)で染めるので、こげ茶色を呈している。

土佐国の産紙を高級品としたが、摂津国でも製する。


こうぞ
がんぴ
きはだ = ミカン科のキハダの黄色い樹皮の煎汁

2019年7月12日金曜日

立瓜香合 たちうりこうごう



祥瑞の型物香合。

蔓を上にした瓜形の香合で、摘みには葉が数枚付く。

数は比較的多く、それぞれに異なった祥瑞文様が描かれているが、中でも丸文や詩文のあるものが喜ばれる。

型物香合番付では西方二段八位。

「五良大甫呉祥瑞造」の銘の書かれたものもある。