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2022年10月28日金曜日

雁擬 がんもどき


油揚げの一種で、飛竜頭(*1)ともいう。

味が雁の肉に似ているところからの名称。

水気をきって崩した豆腐に、山芋・卵などを加えてつなぎにし、ささがき牛蒡・千切り人参・きくらげ・麻の実・銀杏などを入れて油揚げにしたもの。

煮物椀などに用いる。


*1 ひりゅうず

2022年10月21日金曜日

衣被ぎ きぬかつぎ


里芋を皮付きのまま蒸すか茹でるかしたもの。

塩を振って供する。

現在好まれている料理のうち、最も素朴かつ古風なものと思われる。

もともとは田舎風な素朴さを供したものであって、京料理などという分野に属するものではなかった。

2022年9月16日金曜日

立て塩 たてじお


およそ塩一に対して水六を基準にした海水程度の塩辛さの塩水で、用途により加減する。

魚介類の下洗いに用いれば、旨味が逃げず余分な水分も吸わない。

野菜や果物の色止めや保存(漬物等)にも用いる。

立て塩に材料を漬けて、塩味を含ませる用途もある。

2022年6月17日金曜日

運び点前 はこびてまえ


水指をはじめ点前道具を水屋から運び出してする点前をいう。

そのほか点前以外でも、すべて勝手から持ち出すことを”運ぶ”と呼ぶ。

膳を運ぶ、炭斗を運び出すなど。

また大寄せの茶会などで、勝手で点てた茶を茶席に運び出す人を“お運び”という。

2022年2月18日金曜日

若狭焼き わかさやき


白焼きにした魚の両面に酒を掛けて、こんがりと焼き上げた焼物。

うろこも食べられるように焼く。

もともと若狭湾から来る一塩の魚をそうして食したのだが、のち一塩の有無は問題ではなくなった。

甘鯛・鰈(*1)・鱸(*2)・鰤(*3)などが、良い材料である。

*1 かれい
*2 すずき
*3 ぶり

2021年10月22日金曜日

四つ椀 よつわん

懐石道具。

飯椀・汁椀・煮物椀・吸物椀の四器の総称。

木製で挽物の素地に漆塗りが主軸。

ほかに蒔絵・色漆・螺鈿が施されたものもあるが、飯椀と汁椀は必ず一対であること。

また、飯椀・汁椀・煮物椀を三つ椀、飯椀・汁椀を両椀ともいう。

2021年9月17日金曜日

落とし芥子 おとしがらし

溶き芥子は、日本料理の香辛料中、重要なものの一つであるが、茶懐石ではこれを出来上がった料理に目に見えるように落として客に供する。

客は、自分の好みに合わせて不必要な分を懐紙に取り去ってから頂いてよい約束である。

隠し山葵(*1)と対照的な技法である。

*1 わさび

2021年9月10日金曜日

挽物 ひきもの

木材を轆轤(*1)で挽いて作ったもの。

棗や中次のような茶器類、あるいは椀・杯・盆・飯次・湯次のような食器類などがある。

材料は欅(*2)・桜・檜(*3)などが用いられる。

仕上げるまでに何回も荒挽きをし、よく乾燥させないと狂いが生じやすい。

*1 ろくろ
*2 けやき
*3 ひのき

2021年9月3日金曜日

卓袱料理 しっぽくりょうり

卓袱とは、中国で食卓の覆い、転じて食卓をいう。

卓袱料理は、いわば中国料理を日本化したもので、主に魚肉を用い、各種の器に盛って食卓に並べ、各人が取り分けて食べる。

長崎料理ともいい、精進の場合は普茶料理(*1)といわれる。

*1 ふちゃりょうり

2021年5月14日金曜日

甘露煮 かんろに


水飴を加えた煮汁で、汁がなくなるまでとっくりと煮込む。


「飴炊き」ともいう。


鯉・焼鮒(*1)・焼鯊(*2)などのほか、栗・イチジクなども好まれる。


便法として、飴を用いずに砂糖ばかりで煮込み、仕上がりに味醂(*3)で味を調えることもある。

 


*1 やきぶな

*2 やきはぜ

*3 みりん

 

2021年4月16日金曜日

客来一味 きゃくらいいちみ


画題。


心を一つに語り合える友の訪れの意であるが、その絵画的表現に、手近の菜園から収穫できる野菜類、つまり蕪や大根、茄子などを大きく描写する例がみられる。


このような蔬菜(*1)の料理こそ、心の通う友への接待法として表現された。

 

 

*1 そさい = 野菜、青もの

2021年1月8日金曜日

預鉢 あずけばち


懐石中で焼物や煮物など一汁三菜以外の料理を、鉢に入れて持ち出し、連客に自由に取ってもらうべく預けておくゆえに預鉢という。


また客側からとって頂く意味での「取り肴」、酒を勧めるための魚菜としての「強肴(*1)」などの別称もこれに類する。

 

*1 しいざかな

2020年10月23日金曜日

粥 しゅく


仏教用語。


米二、三分、水七、八分で炊く。


粥十利といい、僧食として十種の利ありとする。


禅林では朝食に粥を食するのが原則であるところから朝食の意ともなる。


平常の白粥のほか、正月十五日の小豆を入れた紅調粥、成道会の雑穀を入れた五味粥などがある。 

2020年7月24日金曜日

一味同心 いちみどうしん


同じ物を飲食すると人々が一体になるという信仰に基づき、多くの人々が共同で飲食して一体感を呼び起こすこと。

キリスト教の聖餐式(*1)・禅寺の茶礼・結婚式の盃事などはこの信仰に基づいた共同飲食の儀礼である。

濃茶の飲み廻しの根底にも、この考えがある。


*1 せいさんしき

2020年7月17日金曜日

豆腐 とうふ


二千余年昔中国に始まったと伝えられる豆腐は奈良時代の遣唐僧らによって我が国にもたらされたと思われる。

鎌倉時代になり再度輸入され、調理法・食法ともに禅寺の日常食品として発達した。

その後江戸時代には一般化して調理法・加工法共に多彩を極めた。


2020年5月1日金曜日

煮付け につけ


煮物のうち煮汁をほとんど残さず、甘辛く煮上げたものをいう。

鍋の周囲にこびりついた煮汁を、濡れ布巾で丁寧に拭い取ると苦みが混じらない。

煮汁をたっぷりに仕上げたのは、煮付けに対してさわ煮といっている。

野菜類を煮付けたものは、旨煮(*1)である。


*1 うまに

2020年2月14日金曜日

凍豆腐 こおりどうふ

しみ豆腐・高野豆腐ともいう

高野山やその近傍の寒冷の地で始まった。

極寒夜に豆腐を屋外にさらして凍らせ、それを米の磨ぎ水で煮たうえ藁で数個を結んで干し上げる。

幕末からは大和山辺郡小倉が産地に加わったが、現在は人工冷凍の製品がこれに代わった。

2019年8月23日金曜日

煎り酒  いりざけ



なますの掛け汁に酒を用いる場合に、酒に火を通しておくと柔らかな味覚となる。

種を抜いた梅干しを琺瑯(*1)鍋か土鍋に入れて日本酒を加え、弱火で煮詰めて冷やし、裏ごししておく。

食塩・醤油・出汁・煮切味醂(*2)などにこれを加え煮立たせて味を調える。



*1 ほうろう
*2 みりん

2019年6月28日金曜日

たわらこ たわらこ



海鼠(*1)を炒って串に刺し干したものを煎海鼠(*2)という。

江戸時代長崎貿易で清国向けに俵に詰めて輸出した海産物を俵物といって煎海鼠・干鮑(*3)の二品であった。

『天王寺屋会記』などにみる「たわらこ」も煎海鼠とされ吸物に使われ、『利休百会記』では菓子に出されている。


*1 なまこ
*2 いりこ
*3 ほしあわび