2021年4月30日金曜日

歌銘 うためい


茶入・茶碗・茶杓など茶器の銘を和歌から採ったもの。


和歌そのものを銘としたものもある。


古歌から採る場合が多いが、茶杓などで自作の歌を使うこともある。


特に小堀遠州は歌銘を好み、茶湯に文芸性を導入した。


中興名物の茶入が、その代表的な例である。

2021年4月23日金曜日

明朝仕立 みんちょうじたて


表具の一形式。


丸表具の左右に細縁を付したもの。


一般に薄い淡色の無地のものを用いる。


また同色のときは細金を入れる。


袋明朝とも称し、太縁のものは太明朝仕立という。


南画の表具によく行われ、中国明代に流行したところからの称と思われる。



2021年4月16日金曜日

客来一味 きゃくらいいちみ


画題。


心を一つに語り合える友の訪れの意であるが、その絵画的表現に、手近の菜園から収穫できる野菜類、つまり蕪や大根、茄子などを大きく描写する例がみられる。


このような蔬菜(*1)の料理こそ、心の通う友への接待法として表現された。

 

 

*1 そさい = 野菜、青もの

2021年4月9日金曜日

客組 きゃくぐみ


 一会を催すに際して、亭主が第一に考慮するのが客組を作ることで、まず正客を定めて、その一座の連客が相互に懇ろであるかを配慮する。


目上の人を招く時は、正客に客組をまかせて、「何名様同道でお願いします」という場合もある。




2021年4月2日金曜日

上田紙 うえだがみ


江戸時代は幕藩体制により、藩ごとに自給経済の政策をとっていたが、とりわけ製紙の専売制が盛行し、信濃の上田藩は正徳元年(*1)に専売制を敷いた。


紙の種類としては小杉原・小半紙など庶民のための安価で粗末な紙である。


 

*1 1711