2020年7月3日金曜日

久世切 くぜぎれ

伝藤原伊経筆。

『万葉集』の仮名の歌を抄出した写本の切。

もとは巻物で料紙には丁子吹きを用いている。

筆跡はよく伸び、風韻に富む書風である。

伊経(*1)を筆者と伝えるが、書風と料紙の上から平安時代とおぼしく、書写は12世紀初頭であろう。




*1 これつね/いけい=?~安貞元年(1227)

2020年6月26日金曜日

油障子 あぶらしょうじ


防水性をもたせた障子の一種。

 酢で練った糊を障子紙に塗り、更にその上から油を塗ったもの。

 または柿渋に油を混ぜて塗ることもある。

 多くは西の内紙を使用する。

 出入り口や茶室の突上窓などの屋外に面して雨のかかる場所に用いられる。


 

2020年6月19日金曜日

背割 せわり


木心を含む材木に人為的に割れ目を入れ、不測のひび割れを防ぐ方法。

材木は生木のうちに鋸(*1)で木心に達する溝を切り、これに一定間隔に楔(*2)を打つ。

乾燥後楔を取り、背割のあるほうを裏にして使う。

「心挽き(*3)」ともいう。


*1 のこぎり
*2 くさび
*3 しんびき

2020年6月12日金曜日

且座喫茶 しゃざきっさ


「且」はしばらくの意。

したがって、この句は「しばらく坐して茶を喫せよ」と読み、「どうぞ、まあ、お茶をおあがり」というほどの意味である。

唐代で日常の挨拶語として使われていたらしいが、『臨済録』に禅問答の語として使われている。

2020年6月5日金曜日

葭障子 よししょうじ


(*1)障子の一つで、障子(明り障子)の紙の代わりに葭を編んで作った簾を用いたもの。

葭簾戸・葭戸ともいう。

葭障子に用いる葭は琵琶湖周辺で産出する大尽葭が最良。

葭の本来の読み「あし」が「悪し」に通じるのを忌み「善し」とよんだという。


*1 すだれ



2020年5月29日金曜日

青備前 あおびぜん


備前焼のうち、特に還元焔(*1)焼成気味に焼き上がり、素地中の鉄分が黒青色に発色したものをいう。

明和から寛政頃の伊部手の作品に多く、徳利・小壺・小甕などのほか、置物など彫塑(*2)的な作品にも見受けられる。

そのため青伊部ともよばれる。

*1 かんげんえん
*2 ちょうそ

2020年5月22日金曜日

下草 したくさ


庭園植栽の下木のことで、下木下草と総称するように、下木と区別されているわけではない。

したがって、草物だけをいうのではなく、下木を下草とも称する。

主として添え物の植栽として意匠する。

草木のものでは、ツワブキ・葉蘭・シダなども含まれる。