2012年3月30日金曜日

奉書紙 ほうしょがみ

楮(*1)を原料とした厚手の紙。

室町幕府政所奉行人がこの紙を公文書として用いたことからこの称が起こった。

後に技術が全国に伝播し、各地で作られるようになった。

「越前奉書」が有名だが、ほかに加賀・因幡・出雲などが名産地として現在に至っている。


*1 こうぞ

2012年3月23日金曜日

三音 さんおん

釜の蓋を切る音、茶筅通しの音、茶杓を茶碗の縁で打つ音をいう。

あるいは、釜の湯の煮える音、湯水を汲み入れる音、残りを釜に返す音をさすこともある。

これらの三音のほかは音をたてないのが茶席の心得とされる。


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2012年3月16日金曜日

清巌宗渭 せいがんそうい

天正十六年ー寛文元年(1588-1661)。

臨済宗大徳寺派の僧。

九歳で得度し、寛永二年(1625)大徳寺の第一七〇世住持となる。

細川三斎の創建した高桐院をはじめ多くの塔頭に住した。

千宗旦参禅の師で、「今日庵」命名の逸話が有名。

2012年3月9日金曜日

薩摩焼 さつまやき

薩摩国(鹿児島県)産の陶磁器の総称。

古帖佐焼(*1)、串木野焼、苗代川焼(*2)、龍門司焼などがある。

文禄・慶長の役に出陣した島津義弘が連れ帰った陶工の朴平意(*3)、金海(*4)らが開窯したのに始まる。

後には薩摩錦手や金襴手なども作られる。


*1 こちょうさやき
*2 なえしろがわやき
*3 ぼくへいい
*4 きんかい

2012年3月2日金曜日

聴雪 ちょうせつ

京都御所内にあり、安政三年孝明天皇の好みによって造立された。

一隅を遣水の上に乗り出して南向きに建てられた入母屋造り杮葺(*1)の瀟洒な茶室。

中の間の正面に床と棚が設けられている。

堂上の茶湯の特色が大いに発揮された遺構である。

*1 こけらぶき = http://sadouhyakuji.blogspot.com/2012/02/blog-post.html