2022年10月28日金曜日

雁擬 がんもどき


油揚げの一種で、飛竜頭(*1)ともいう。

味が雁の肉に似ているところからの名称。

水気をきって崩した豆腐に、山芋・卵などを加えてつなぎにし、ささがき牛蒡・千切り人参・きくらげ・麻の実・銀杏などを入れて油揚げにしたもの。

煮物椀などに用いる。


*1 ひりゅうず

2022年10月21日金曜日

衣被ぎ きぬかつぎ


里芋を皮付きのまま蒸すか茹でるかしたもの。

塩を振って供する。

現在好まれている料理のうち、最も素朴かつ古風なものと思われる。

もともとは田舎風な素朴さを供したものであって、京料理などという分野に属するものではなかった。

2022年10月14日金曜日

古則 こそく


禅宗の用語。

古人の説法、もしくは問答をいう。

のちに、著語(*1)や頌古(*2)が付けられるようになって、それらのテキストになるものとしての本則、もしくは公案ともよばれる。

公案は、裁判の判例の意で、のちの判決の手本となるためである。

*1 じゃくご
*2 じゅこ

2022年10月7日金曜日

御物袋 ごもつぶくろ


護物袋とも書き、茶器の袋の総称。

やすめ袋・丸袋・平袋ともいう。

紫・白・朱色などの縮緬(*1)や羽二重(*2)を打ち合わせにし、中に薄綿を入れ、口にかがり緒をつけ、長緒を通して仕立てた袋物。

茶器が破損しないようにこの袋に入れてから箱に収納する。

*1 ちりめん
*2 はぶたえ